今から35年ほど前の高校生だった当時、登山の単独行に夢中になっていて、親に頼み込んで買ってもらったのがオーストリア製ストーブのホエーブス725、通称小ブスといわれる山岳用ストーブの名器です。。
ホエーブスにはグループ行向けの大型ストーブ625と、単独または二人程度で使うのに最適な725の2種類があり、迷わず725を選びました。
当時はまだカートリッジガス式のストーブよりも、ホワイトガソリンや灯油を燃料にする山岳用ストーブが全盛の時代です。
社会人になって山を登るという機会もなくなり、30年以上も実家の倉庫に眠っていたホエーブス725が、なんのメンテナンスも必要なく普通に着火したときは感動しました。
30年以上も入れっぱなしにしていたホワイトガソリンが、燃料タンクの中で劣化していなかったというのも驚きです。
そんな衝撃的なホエーブスとの再会を果たしたこともあって、あらためてホエーブスの魅力に憑りつかれてしまい、ヤフオクやeBayなどで程度の良いものを見つけてはコレクションするという現在に至ります。
ホエーブス725との別れ
ヤフオクやeBayなどでコレクションを増やすたびに、製造時期や入手価格などを記録しているのですが、現在保有するホエーブスが625と725を合わせて17台ということになっています。
購入後未整備のまま部屋の中に眠っているものなど、下手すると入手したことすら忘れてしまう可能性もあります。
しかも、さすがにすべてを同時にメンテナンスしていくことはできないでしょうから、必要とする誰かのところへ順々に旅立ってもらうことにしました。
まずはホエーブス725新型
フリマサイトのメルカリから入手した当時、アルミの反射板とプレヒート部の焦げ付きがひどく、重曹で根気よくクリーニングしたホエーブス725新型を、今回手放すことにしました。
クエン酸洗浄などでバーナーも本来の輝きを取り戻し、それなりに手をかけて整備したので、まだまだ現役で十分に使える725です。
ホエーブスは構造がシンプルなので、本当に壊れないんですよね。
反射板とプレヒート部の焦げ付きはひどかったものの、収納缶にほぼキズがないところを見ると、前オーナーもこの725を大事にしていたのがよくわかります。
収納缶の上下をつなぐ紐は本来赤色なのですが、色こそ違うものの前オーナーが丁寧に手直ししていて、オリジナルと遜色ないほどしっかりと取り付けされています。
この725はヤフオクに出品することにしたのですが、一度全部ばらしてクリーニングとパッキンやガスケット類の交換をしました。
燃焼具合はすこぶる快調で、725独特の轟音にはファンも多いはずです。
725の豪快なローラーバーナー音は、ときに会話さえもできなくなるほどうるさいものなので、625のサイレンサーを加工して725をサイレント化するユーザーも多いです。
また、アフターマーケットパーツで725用のサイレントバーナーヘッドも、海外サイトやヤフオクで見かけます。
私も普段使いの725には、このアフターマーケットパーツのサイレントバーナーヘッドを使っていますが、一度使うとローラーバーナーには戻れないほど静かです。
ピクニックでお別れを
この725は入手してから一度も外へ持ち出す機会がなかったので、私の連れとブランチを兼ねて裏山へピクニックへ出かけることにしました。
私の家は横浜と鎌倉の堺になる山のふもとにあり、玄関を出て5分ほど歩くと上の写真のようなハイキングコースへの入口があります。
まずは急な山道を2分ほど登ります。
すると、やや開けた直線の山道になり、右手には住宅街を見下ろせる景色が広がります。
怪しい腰巻をまいて歩いているのが、私の連れになります。
ハイキングコース入口から登り、トータル5分ほどで下の写真のような静かな休憩所が現れます。
こんな自然豊かな環境に、賞味10分ほどで自宅から来られるのは幸せなことだと思っていますが、いつでも来れると思っている分、腰が重いことのほうが多いかもしれません。
私と連れのふたりとも昨夜寝るのが遅かったせいか、これからお見せするのが15時半過ぎに取る朝食兼昼食になります。
インスタ映えも何もあったもんじゃないとふたりで大笑いしながら、ブランチのメニューは菓子パン、バナナ、ウーロン茶、ヤクルトとなりました。
肝心のホエーブス725の出番は特になく、持ってきたお湯でドリップパックのコーヒーを淹れるというお粗末さです。
ただ、ヤフオク出品に当たっての725の動作確認と、出品用のそれっぽい写真が撮れたのはよかったです。
アウトドア用品をヤフオクやメルカリに出品するときは、またピクニックを兼ねて来ようと思います。
あとは、せっかく外でコーヒーを思っていたので、コールマンのパルテノンコーヒードリッパーを持ってきたのですが、連れの『洗うのが面倒』という意見もあり、紙フィルター式のコーヒードリッパーを用意することになりました。
そもそも出発時間が遅かったため、あっという間に日が暮れてきたのですが、連れがいい写真を撮ってくれました。
ヤフオクに出品するホエーブス725との最後の別れをするために出かけたピクニックだったのですが、なんだかよくわからない散歩のような感じになってしまいました。
私たち二人は、普段はほぼ一日中パソコンに向かって仕事をしているのですが、こんな感じのリフレッシュも気分転換になっていいですね。
こんな近くにこんな素晴らしい場所があるんだから、もっと利用しないと損ですよね。
お金がかかるわけでもないわけですし・・・。
次回は荷物を減らして来ようという相談をして、今日のちっちゃなピクニックは終了しました。
次のオーナーに気持ちよく使ってもらえるよう、家に帰って725の梱包作業をしないと・・・。