高校生の時、登山をはじめるにあたってピークワンランタンとホエーブス725を親に買ってもらったのは、もうかれこれ35年以上も前のことです。
ランタンやストーブに燃料を入れるにはいわゆる漏斗が必要なことに家に帰ってから気づき、コールマンのファンネルを買いにお店に戻ったのを覚えています。
ファンネルはフィールドでは脇役ですが、私はなぜかこのファンネルが好きで、気づくと20万円分ものファンネルをeBayから購入していました。
家族からは「同じものを何個も買って馬鹿じゃないの。」なんて冷たくあしらわれますが、ファンネルひとつひとつに歴史があるように思えて惹かれるんですよね。
ヤフオクでもたまに買いますが、金属製のメッシュフィルターはともかく、ブルーフィルターが欠品しているものも多いです。
私が高校生の時から使っているアルミ製のコールマンNo.0ファンネルは、一度もブルーシートを張り替えずに使い続けています。
さすがにそろそろ怪しくなってきた感がありますが、コールマン製品は直せば使い続けることができるところが素晴らしいです。
ファンネルフィルターもそれっぽいブルーシートで張り替えれば、オリジナル感を損なわずに復活します。
ただ、このブルーシートの張り替えにはコツがあって、はじめは失敗するんじゃないかと思います。
コツさえつかめば二度と失敗しなくなりますので、私なりにうまくいっている方法をご紹介します。
今回のフェルト張り替え対象ファンネル
eBayからオールドコールマンを買うことが多い管理人ですが、セラーの巧妙な罠に引っかかることも少なくありません。
eBayの支払いにPayPalを利用している場合、送られてきたものが説明と異なるケースなど、買い手保護の対応をすれば返金対象になるケースがほとんどだといいます。
ただ、商品の状態を「Sold as is.」としているセラーがほとんどで、つまり現状渡しということになります。
なので、写真に写っている状態と違うことを証明するのが難しいんですよね。
セラーに問い合わせをすることもありますが、
そういうことは落札前に聞け。
ちゃんと写真載せてるだろ?
こんな返事しかよこさないセラーがほとんどです。
コールマン500のメッキタンクに亀裂が入ったものをつかまされた時は、さすがにショックでした。。。
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コールマン500スピードマスター|燃料タンクのクラック修理
ニッケルメッキの状態がよさそうなコールマン500をeBayで見つけ落札できたのは良かったのですが、その後忙しくて部屋の隅にしまったままにしてあったのを思い出しました。 落札したのは5ヶ月ほど前だったで ...
管理人の場合は、eBayでやっちまった場合、勉強代だと思って自力で修理したりしています。
今回入手したカッパーファンネルはブルーフィルターが裏返しの状態で出品されていたのですが、届いたものを開けてみると下の写真のように、かなり変形したフィルターフレームが出てきました。
しかも材質が銅ではなくアルミなので、欠品したブルーフィルターを新しいアルミ製ファンネルのブルーフィルターに差し替えたんでしょう。
コールマンNo.0ファンネルは銅製もアルミ製もブルーフィルターのサイズが同じなので、当時物にこだわらなければ古いカッパーファンネルに新しいアルミファンネルのブルーフィルターが代用できます。
フィルターの布がかなり年季の入った状態だったため、新しいフェルトに張り替えることにしました。
ブルーフィルター用のフェルトは耐油性であればなんでもOKだと思いますが、ショップでも取り扱いがありますので、お探しの場合にはご利用いただければと思います。
フェルトは大きめにカットする
ブルーフィルターで実際に必要なフェルト面積は5cm×5cm程度ですが、張り替え作業時にフェルトをケチると失敗します。
必要な面積よりもカットして捨てるフェルト面積の方が圧倒的に大きいので、素材をケチりたくなるものですが、やってみるとわかります。
フェルトをケチると失敗します。
二度言いましたよ。
管理人の経験上、ケチると同じ面積以上のフェルトが再度必要になり、張り替えに失敗したフェルトの使い道はないでしょう。
ケチっちゃいけない理由はフェルトをピンと張るために、フィルターフレームの内側から引っ張るだけの長さが必要になるためです。
フィルターフレームよりかなり大きめ、最低でも10cm×10cm程度にフェルトをカットします。
角は落としておいた方が作業を進めやすいかと思います。
フェルトを少しずつフレームの内側に引き込む
フェルトでアウターフレームを包み込むようにして、上の写真のようにインナーフレームで軽く抑えながらフェルトを少しずつインナーフレームの内側へ引っ張っていきます。
力を入れすぎるとインナーフレームが外れてしまうので、インナーフレームを上から抑えつつ、フェルトを様々な角度から少しずつ内側へ内側へと引っ張ります。
引っ張りすぎるとフェルトが伸びすぎて破れやすくなりますので、適度な張りになる程度、たわまなければ十分かと思います。
作業しながらフェルトを透かしてやるとわかりますが、引っ張れば引っ張るほど素材が伸びて目が粗くなるので、フェルトの引っ張りは必要最小限に、です。
インナーフレームを押し込んで位置決め
アウターフレーム外側のフェルトにしわができると、ファンネルへの装着がきつくなるうえ、ファンネルとフィルターに隙間が生じることになります。
アウターフレーム外側にしわができないよう、かつフェルトに適度な張りが出る位置を探りながら、フェルトの引っ張り具合を微調整します。
もともとのブルーフィルターのイメージがあると思いますので、だいたい同じような状態になったらインナーフレームをしっかりと押し込んでフェルトを固定します。
この状態ではいくらでもやり直しがきくので、納得できるブルーフィルターの完成を目指しましょう。
くれぐれもフェルトの引っ張りは必要最小限にとどめましょう。
余分なフェルトをハサミでカット
インナーフレームの内側に引き込んだ余分なフェルトをハサミなどでカットすれば完成です。
糸切狭など、刃先まで細かく使えるハサミなどを使うと綺麗に仕上がります。
一度に仕上げようと思わず、細かく細かく丁寧にできるだけ余分なフェルトが残らないよう、インナーフレームの根元からカットすると綺麗に仕上がります。
カッター等はフレームを傷つけてしまうので使わないようにしましょう。
完成写真
もともとのフレームが変形しているので完璧なブルーフィルターではありませんが、フェルトの張り替え自体は以下の写真のようにきれいに仕上がりました。
米国工場製のコールマンファンネルにはブルーフェルトが定番ですが、カナダ工場製のファンネルにはグリーンフェルトが使われていたものもあります。
よりオリジナルに近づけるのであれば、フェルトの色にもこだわってみたいところです。
装着図
もともとは銅製フレームのブルーフィルターが付いていたはずですが、アルミ製フレームのブルーフィルター仕様にしてもピッタリ収まります。
銅製ファンネルにはもともとメタルメッシュフィルターが付属するものもありますが、オークションなどで出回るもののほとんどは、このメタルメッシュフィルターが欠品しています。
ブルーフィルターがなくてもそれなりの値段で取引されていますが、ブルーフィルターとメタルメッシュフィルターの両方が残っている個体はお買い得の可能性があります。
まとめ
ブルーフィルターのフェルト張り替え時、フェルトのカットはフレームよりも大きくカットしましょう。
目安は10cm×10cmぐらい、角を取っておくと作業が楽になります。
フェルトは引っ張りすぎず、余分なフェルトのカットは一切狭など刃先の使えるものがおすすめです。
ブルーフィルターのフェルト張り替え作業はショップでお受けしていますので、うまくいかない場合にはご相談ください。
楽しいアウトドアライフを!