上の写真はとろ火ができるストーブとして人気のコールマン2レバーストーブ、モデル400燃料バルブアセンブリー。
2レバーのピークワンは交換用ジェネレーターの入手がネックではありますが、未だ現役で愛用するユーザーの多いコールマンの名機です。
初代のモデルになると2023年現在で製造から45年ほどになり、一度もメンテナンスされていない個体などは内部の部品が冒頭の写真のような状態になっているものも少なくありません。
このモデル400用燃料バルブアセンブリー、品番:400-5571にはフューエルチューブ内にロッドがある初期型とロッドがなくなった後期型の2種類があります。
いずれもフューエルチューブは真鍮製で、のちにモデル400Aに採用されたプラスチック製フューエルチューブの400B5571に移行します。
ただ、プラスチック製フューエルチューブはモデル400のタンク内でポンプアセンブリーと干渉することがあり、真鍮製フューエルチューブのモデル400用燃料バルブアセンブリーは希少部品のひとつです。
残念ながら真鍮製フューエルチューブとプラスチック製フューエルチューブには互換がないため、交換はバルブアセンブリーごと一式になります。
このような背景もあり、ショップには真鍮製フューエルチューブのバルブアセンブリー、400-5571のメンテナンス依頼も多くいただきます。
冒頭写真の400-5571の場合、下の写真のようにフューエルチューブ先端の燃料吸い込み口も目詰まりを起こしていました。
フューエルチューブが上の写真のような状態になると、パーツクリーナーに漬けたぐらいでは詰まりを除去できないケースがほとんどです。
400-5571のフューエルチューブは分解を前提に作られていませんが、下の写真の赤丸部分のカシメを外すことでインナーチューブとアウターチューブに分離可能です。
インナーチューブ内を0.2mmほどの針金で清掃し、インナーチューブの外側とアウターチューブ内をワイヤーブラシ等で洗浄します。
クリーニング後はプライヤー等でアウターチューブを元のようにカシメ直します。
アウターチューブは多少のぐらつきがあっても問題なく動作するので、力を入れ過ぎてカシメ部以外の部品を変形させないことの方が大切です。
今回お預かりした部品は、ジェネレーターのジャムナット締め込み部のネジ山が下の写真のように舐めてしまっていました。
ジャムナットをしっかりとステム側にかみ合わせないまま、ジャムナットを回し続けてネジ山を壊してしまったものと思います。
このような場合、ただダイスでねじを切り直しても強度がありませんので、ネジ部にロウを盛ってから下の写真のようにネジ山を切り直します。
ひと通りの修理と洗浄を終え、下の写真のように綺麗な状態になりました。
バルブコアも新品に交換したので、長く使えるはずです。
オールドコールマンのメンテナンスでは、ねじの切り直し等DIYではなかなか難しいケースもあるかと思います。
お困りの際にはご相談いただければと思います。