上の写真はショップに修理依頼で入ってきた名機コールマン400、ピークワンストーブの2レバージェネレーター。
グラファイトパッキンを交換しようとご自身でトライしたところ、黒レバーが折れてしまったとのこと。
中に残ったレバーの部品を取り出そうとバーナーで炙っていたところ、ロウ付けの融点を超えてしまったようです。
部品がバラバラになってしまったときは、さぞやショックだったことでしょう。
モデル400用のジェネレーター、コールマン品番400-5891や508-5891は新品価格が20,000円を超えてきており、調子が悪いからと気軽に交換できる部品ではなくなってしまいました。
同じくピークワンストーブの505、576用の2レバーストーブ用ジェネレーターも、数が出てこないのはもちろん、価格も400用のジェネレーターと同じく高騰しています。
ジェネレーターはストーブを使用していれば、いつかは交換が必要になる消耗部品です。
しかしながら、流通在庫の枯渇と価格の高騰から、メーカーが推奨するアセンブリーごとの交換が難しくなりつつあります。
2レバーストーブ用ジェネレーターは、内部の部品交換を想定した作りになっていないため、冒頭の写真のように部品を壊してしまうケースは少なくありません。
バラバラにはなっていますが、部品がすべて揃っているということでしたので修理をお請けすることにしました。
このページでご紹介する方法は、コールマン社が推奨する方法ではありませんが、状態によっては修理が可能なケースもあります。
グラファイトパッキンを交換しようとして、部品を壊してしまった場合など参考にしていただければと思います。
部品の洗浄
ショップに修理で入ってくるストーブやランタンの多くは、何かしらの不具合を抱えているので、細かい部分を見るためにもまずは部品の洗浄作業から始めます。
中には部品を綺麗にしてあげるだけで、不調が嘘のように直るケースもあります。
ストーブやランタンの調子が突然悪くなった時などは、まずはクリーニングしてみることをおすすめします。
今回のようにロウ付けをするのであれば、特に丁寧に汚れ等の付着物を落としてやる必要があります。
上の写真はコールマン400ストーブ用ジェネレーター400-5891(508-5891)の構成部品一式。
ロウ付けが溶けてバラバラになってしまっていますが、黒レバーの代替品を作成すれば使えるようになります。
部品の漬け置き洗浄にはクエン酸、重曹、パーツクリーナーなど、対象の汚れによって使い分けますが、ほとんどの汚れ落としに効果がある花咲かG マルチクリーナーをよく使います。
折れた黒レバーの代替品を作成する
上の写真は現物合わせで折れた黒レバーの代替品を作成しているところです。
純正レバーの径とほぼ同サイズの2.3mmステンレス線を加工しています。
クリーニングニードルを動かすカギ部分の加工が難しいですが、ワイヤー曲げツールなどを使うと楽です。
黒レバーのリプレースメント品作成については、以下のページで詳しくご紹介しています。
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コールマン2レバーストーブの破損した黒レバーリプレースメント品作成
上の写真はショップに預かり修理のご依頼があった、2レバータイプのコールマン508ストーブ。 とろ火ができるコールマンの2レバーストーブは、生産が終了してから一段と人気が高まった感があります。 生産が終 ...
バラバラの部品をロウ付けする
上の写真はバラバラだった部品をロウ付けして、黒レバーのリプレースメント品を装着したもの。
お預かりした際についていたレンチ痕などはそのままですが、外観は純正ジェネレーターと遜色ないかと思います。
雨の日の屋外作業だったため、ロウ付け作業の写真はないのですが、コールマン500フィードチューブからの燃料漏れ修理と概ね同じ手順になります。
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コールマン500フィードチューブからの燃料漏れ|ロウ付け再生修理
上の写真はコールマン500の燃料バルブアセンブリー。 コールマン品番500-6571の部品です。 なかなかオークション等にも出てこない希少部品なのですが、先日某オークションサイトにジャンク品として50 ...
ロウ付け修理ジェネレーターの燃焼確認
コールマン純正ジェネレーターもロウ付けで作られているので、ジェネレーター修理もロウ付けで行うのがベストかと思います。
今回は同じお客様から400A、505Bの2台の修理をご依頼いただきました。
400Aはこのページでご紹介した内容、505Bはジェネレーターのグラファイトパッキン交換をしようとして、黒レバーだけが抜けてしまった状態でした。
いずれも弱火~強火まで正常に燃焼することを確認してご返送になりました。
400A修理完了品
ショップに送られてきたときにはジェネレーターがバラバラだった400Aが、息を吹き返しました。
505B修理完了品
黒レバー部のグラファイトパッキンは純正品の2倍ほど詰めてありますので、長く使っていただけるかと思います。
ロウ付け作業のご依頼について
作業場所確保の問題でショップでのロウ付け作業はお請けしていなかったのですが、お問い合わせが多く2021年3月より1ヶ所/5,000円からお請けしています。
部品の状態や箇所によってはご依頼いただいてもお請けできないケースもあります。
ロウ付け作業については、お問い合わせよりご相談いただければと思います。