上の写真はコールマン500、米国工場製の通称スピードマスター。
なんと滅多にお目にかかれない希少な未点火品です。
1952年製なので、70年以上前に作られたストーブになります。
上の写真とは違う角度で見てみましょう。
ゴトクの錆やカラーのくすみはいいとして・・・。
スピードマスターを見慣れている方なら、とても違和感を感じる箇所があるはずです。
問題の箇所を拡大してみましょう。
購入前の外観写真が巧妙な角度から撮影されていて、ジェネレーターの変形には全く気づきませんでした。
バルブは回るのでこのまま使えそうではありますが、全体の状態がいいだけにやはり見栄えが気になります。
ここまで変形するのにはかなりの衝撃があったはず。
海外からの輸送は専門業者の倉庫で厳重に梱包されますので、購入時にはすでに変形していたんだと思います。
海外のオークションでは、このようなタチの悪いセラーに遭遇することも多々あります。
管理人の場合、こんな時は自分の分析力が足りなかったための勉強代と割り切って、自分で修理する方法を模索することにしています。
今回の場合は支払いがPayPalだったので、買い手保護制度を利用するという手もありますが、希少な未点火品を送り返すのも悔やまれるような気がします。
ジェネレーターは金属としては比較的柔らかい真鍮でできているため、曲がりを修正することにしました。
コールマン500のジェネレーターは他のストーブやランタンに比べると格段に太く、曲がりを修正するのにはかなりの力技になりますが、手作業で修正は可能です。
中古で入手したコールマン500など、ジェネレーターの曲がりが気になる方は読み進めてみてください。
用意するもの
コールマン222やクラシック502ストーブなどのジェネレータ-なら、さほど力も必要なく手で曲がりの修正ができます。
ところがモデル500のジェネレーターは結構な厚みのある真鍮菅でできており、曲がりの修正をするのには気合を入れる必要があります。
用意する道具はジェネレータ-の内径に近いドライバーが1本あれば事足ります。
プラスでもマイナスでもいいので、5mm前後の軸径ドライバーもしくは金属棒を用意します。
てこの原理で曲がりを修正する
手ごろなドライバーもしくは金属棒が見つかったら、上の写真のようにジェネレーターに差し込み、曲がった部分に指を押し当て、てこの原理で曲がりを修正していきます。
コールマン500のジェネレーターはかなり頑丈にできていますので、力を入れすぎたとしても、いきなりぐにゃりとは曲がったりはしません。
「エイヤッ!」と気合を入れて、曲がった部分の戻り具合いを見ながら調整していきます。
コールマン500に限らず、ストーブやランタンのジェネレーターは少なからず曲がりがあるものなので、定規を当てたりといったことはしなくて大丈夫です。
だいたいまっすぐに見えればOK
上の写真が今回曲がりを修正したコールマン500のジェネレーター。
目視でジェネレーターがだいたいまっすぐに見えればいいと思います。
入手した時の状態は下の写真のように、ひと目で曲がっているのがわかる状態でした。