独特の星形八角ゴトクがコールマンフリークの目を引くモデル500スピードマスター。
カナダ版はスポーツマスターと呼ばれますが、管理人が大好きなストーブのひとつです。
消耗部品のひとつ、ジェネレーターも当面は国内外のパーツショップから入手できる状態です。
純正部品に対して社外互換品をリプロダクション品(リプロ品)と言いますが、コールマン500のジェネレーターもリプロ品が流通しています。
このリプロジェネレーターなのですが、そのままの状態でもストーブとしての機能は果たしますが、品質にばらつきがあり調整が必要なものも少なくありません。
特にクリーニングニードルについては研磨が不十分で、そのままでは火力の微調整ができないような精度のハズレ品を引くこともあります。
コールマン500のジェネレーターをリプロ品に交換したら調子が悪くなったという場合には、この記事が役に立つかもしれません。
コールマン500のリプロ品ジェネレーターのニードル研磨の方法をご紹介します。
ご紹介する方法は管理人の独学によるもので、コールマン社が推奨するものではないことをご理解のうえ読み進めていただきたいと思います。
純正品とリプロ品の違い
上の写真はモデル500用ジェネレーター。
キズが付いている上のジェネレーターが純正品、下がリプロ品です。
パッと見ただけで見分けるのは難しいでしょう。
Gas Tip
上の写真はジェネレーター先端のGas Tipと呼ばれる、燃料とエアの吐出量を調節する部品を拡大したものです。
左が純正品、右がリプロ品です。
純正品には「BX」という刻印があります。
コールマン500は長く使っていると燃焼が不安定になることがありますが、Gas Tipの穴径の広がりが原因であるかもしれません。
モデル500用のGas Tipは国内外のパーツショップでたまに見かけますが、ジェネレーター本体を買ってしまったほうがお得感があるような価格であることが多いです。
クリーニングニードル
上の写真はジェネレーターのクリーニングニードル部を拡大したものです。
左が純正品、右がリプロ品です。
素材の違いはいいとして、ニードル先端部の長さと先端処理にずいぶん違いがあるのがわかるでしょうか。
ニードル先端部をもう少し拡大してみます。
リプロ品は純正品のように先端部が先細研磨されておらず、カットされた状態のままです。
ニードルの役目がGas Tipのクリーニングだけであればいいのですが、モデル500の場合、先細研磨されたニードルが火力調整も担っています。
ニードルが先細研磨されていないと、ほぼON/OFFと同じような制御となり、強火や弱火といった火力調整ができないのです。
モデル500のジェネレーターをリプロ品に交換後、点火と消火はできるが火力調整の調子が著しく悪くなったという場合には、おそらくこのケースです。
ニードル先端部を少し研磨することで純正品と遜色ない火力調整が可能になります。
ニードル先端部を研磨する
上の写真は研磨前のリプロ品ジェネレーターです。
研磨に必要なのは紙ヤスリと根気だけなので、ぜひトライしてみてほしいと思います。
使う紙ヤスリはある程度目が細かいものであれば、あまり気にしなくて大丈夫です。
今回は800番の耐水ペーパーヤスリを使用しましたが、600~1200番程度の使い古しでこと足ります。
耐水ペーパーヤスリを軽く濡らす
今回は上の写真にあるように、手でちぎって何かの作業に使用した使い古しの耐水ペーパーヤスリ800番を使用しました。
耐水ペーパーヤスリはそのまま研磨作業に使えますが、水に浸すことで仕上がりがより滑らかになります。
ヤスリの目が残っている限り色々な作業に使えますので、小片も捨てずに取っておきましょう。
濡らしたヤスリも乾かせば繰り返し使用することができます。
ニードル先端の研磨作業
ジェネレータークリーニングニードルの先端研磨は、機械や工具等使わなくても手作業でできます。
上の写真のようにヤスリにニードル先端を指で押し付け、手でニードルをクルクル回して少しずつ研いでいきます。
ニードル先端を針のように先細にするイメージで、ヤスリとニードルにやや角度をつけて抑えるのがコツです。
今回の作業を動画にしてみましたのでご覧になってみてください。
研磨後のニードル先端部
上の写真は今回研磨したリプロジェネレーターのニードル先端部です。
ニードル先端にある程度のテーパーができれば、火力調整ができるようになるはずです。
先端を細く研げば研ぐほど火力の微調整が可能になりますが、折れやすくなるというデメリットもあります。
実使用では針のようにツンツンに研がなくても機能十分かと思います。
研磨後ジェネレーターに装着して、燃焼具合を確認しながら必要であれば再研磨すればいいかと思います。
コールマン500のリプロジェネレーターに替えたら調子が悪くなったという場合には、一度ニードル先端を確認してみましょう。
ニードル研磨後の燃焼確認動画
今回ジェネレーターのニードル研磨作業をしたコールマン500の燃焼確認動画をご紹介します。
オリジナルには星形八角ゴトクが付いているモデルですが、ゴトクが朽ちてしまったため丸型ゴトクのNOS品を装着してあります。
80年以上も前に作られた個体なので、現存しているだけでも奇跡なんじゃないかと思います。
オールドコールマンはロマンチックですね。