ストーブ

コールマン400/505/508/576などのバーナーボックス不燃材について

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不燃材

上の写真はコールマンピークワンストーブ400シリーズ、505、508、576などのバーナーボックスを分解すると出てくる不燃材。

ゴミのようにも見えますが、バーナー点火時の初期燃焼を安定させる重要な役割を担っています。

オークションなどで入手した中古品になると、そもそも前オーナーが捨ててしまっていたり、真っ黒こげな状態になっているものも多いです。

この一見ゴミのように見える不燃材、コールマン社からはパーツとして供給されておらず、朽ちてしまったまま使用すると点火時にストーブが火だるまになったりします。

このページではバーナーボックスに挿入されている不燃材の働きと、リプレースメント品への交換方法についてご紹介します。

バーナーボックス不燃材の素材は何?

バーナーボックス不燃材の素材

上の写真はピークワンストーブ400用バーナーボックスのNOS(未使用長期保管品)から取り出した不燃材です。

コールマン社のメンテナンス情報サイトをたどると、バーナーボックス不燃材の素材はセラミックファイバーであることがわかります。

セラミックファイバーは耐熱綿とも呼ばれ、およそ1000℃以上の耐熱性がある素材です。

一般的には高圧ガスフィルター、工業機器の透過フィルター、防火壁などにも使われています。

ただ、コールマンのストーブに使う数センチ程度のロットでは小売りされていないので、シートやロールで調達することになります。

1台分の入手方法としては「コールマン 燃料溜め材」「コールマン 気化促進部品」などの名称で検索してみてください。

ショップでも燃料吸収材として取り扱っています。

 

不燃材のサイズ

不燃材

上の写真はバーナーボックスに挿入されている不燃材です。

オリジナル部品のサイズを測ってみると、以下の通り。

・縦:約22~23mm
・横:約22~23mm
・厚さ:約10mm

不燃材のサイズ

不燃材のサイズ

 

不燃材の役割とは?

バーナーボックス

上の写真は不燃材を取り出したバーナーボックス。

不燃材の挿入されていない状態でバルブを開き、ストーブへの点火を試みたらどうなるか・・・。

ジェネレーターからの燃料がバーナーボックスに溜まるとともに、溜まった燃料から大きな炎が上がることになります。

ストーブへの点火時に、この大きな炎が上がることを防ぐのがバーナーボックスの不燃材の役割です。

ジェネレーターからバーナーボックスに流れ出てきた気化する前の燃料を、一時的に不燃材に吸収させて大きな炎が上がるのを防ぐとともに、バーナーボックスからの燃料のオーバーフローを抑制する目的もあります。

加えて、不燃材が吸収した燃料が燃焼する間にジェネレーターが温まり、気化した燃料がジェネレーターから吐出されるようになると燃焼が安定するというわけです。

ロウソクやオイルランプの芯をイメージするとわかりやすいかと思います。

 

不燃材の交換手順

セラミックファイバー

バーナーボックスの不燃材交換はとても簡単な作業なので、ぜひトライしてみてほしいと思います。

必要なものは以下の通り、たった2つです。

・交換用不燃材(セラミックファイバー)
・マイナスドライバー

 

バーナーボックス固定ネジをはずす

バーナーボックス固定ネジ

上の写真はモデル576のバーナーボックス固定ネジです。

ネジはセラミックファイバーに突き刺さるように締めこみますので、古い不燃材の取り出し、新しい不燃材の挿入にも干渉します。

なので不燃材の取り出し、挿入作業時にはバーナーボックス固定ネジをはずします。

 

古い不燃材を取り出す

バーナーボックス

古い不燃材はマイナスドライバーやピンセットなどで掻き出します。

状態が良いものはピンセットなどで丁寧に取り出したあと、ホワイトガソリン等で洗浄すれば再利用も可能です。

多くの場合、ボロボロと崩れてしまうのではないかと思います。

古い不燃材を取り出したあと、エアダスターなどでカスを吹き飛ばしておけばベターです。

小さな不燃材の破片が、バーナーの詰まりにつながることがあるためです。

 

不燃材の挿入位置

不燃材の挿入位置は工場出荷状態でもばらつきがあり、あまり神経質になる必要はないでしょう。

大事なことは上の図のように、ジェネレーターからバーナーまでのガスの通り道を塞がないことです。

特にジェネレーターからガスが吐出される、バーナーチューブの出口部分を塞がないように注意しましょう。

左右の不燃材の大きさが違ったり、高さや幅等は気にしなくて問題ありません。

 

不燃材を指で圧縮する

セラミックファイバー

シート状のセラミックファイバーは、上の写真のように指で簡単に圧縮できます。

セラミックファイバーは、ちょっと硬めの綿のような素材です。

圧縮しても時間が経つとおよそ元の状態に戻りますので、バーナーボックスへの挿入時にはある程度潰しておくと作業が楽です。

 

不燃材をひとつずつ挿入する

不燃材をひとつずつ挿入する

不燃材はバーナーボックスに左右ふたつ挿入しますが、ひとつずつ挿入していきます。

まずは上の写真のように、ガス管の出口に指とマイナスドライバーなどを使って押し込みます。

不燃材は多少変形しても、ちぎれても大きな問題ではないので、あまり神経質になる必要はありません。

 

不燃材を90度スライドさせる

不燃材を90度スライドさせる

ガス管の出口に挿入した不燃材は、上の写真のようにマイナスドライバーなどを使って、バーナーボックスに沿うように90度スライドさせて、ガス管と平行になるように配置します。

90度スライドさせたら、ガス管の出口と同じぐらいの長さになるよう、下の写真のようにマイナスドライバーなどで調整します。

未使用品であっても不燃材が適当な配置になっている個体も多いので、大体で大丈夫です。

マイナスドライバーなどで調整

同様に二つ目の不燃材も挿入していきます。

セラミックファイバーをガス管の出口に押し込む際、下の写真のようにマイナスドライバーをガス管の出口に当ててやると、引っかからずにスムーズに下まで押し込むことができます。

セラミックファイバーを押し込む

ふたつ目の不燃材もひとつ目と同じように、マイナスドライバーなどを使って90度スライドさせて、ガス管と平行になるように配置します。

セラミックファイバーを配置する

セラミックファイバーを配置する

 

形を整える

不燃材がふたつともうまく挿入出来たら、ガス管の出口を塞がないイメージで最終整形を行います。

何度も書いていますが、もともとの出荷状態が大雑把なので、大体綺麗にまとまっていればOKです。

下の拡大写真を参考にしてみてください。

 

余分な不燃材を除去する

セラミックファイバーは繊維の集まりなので、作業しているうちにボロボロと小さな破片が出てきます。

小さな破片はバーナーリングを詰まらせる原因にもなるので、作業後はエアーダスター等でバーナーボックス内部をひと吹きしてやるのがおすすめです。

息を強く吹きかけてもいいのですが、繊維片を吸い込まないように注意しましょう。

 

セラミックファイバー交換作業動画

バーナーボックスの不燃材交換作業自体はとても簡単です。

しかし、文章と写真だけではなかなか伝わりにくい部分もありますので、動画もご覧になってみてください。

バーナーボックス用燃料吸収材交換作業はショップにてもお請けしていますので、2レバーストーブのグラファイトパッキン交換作業等と合わせてご依頼いただければと思います。

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