上の写真はクエン酸、重曹、ピカールでメンテナンスしたコールマン500スピードマスターのジェネレーターです。
金属磨きを使うと、磨けば磨くほど部品はすり減ってしまうのですが、ビンテージモデルに多用されている真鍮部品は材質が柔らかいため、ちょこっと磨いてやるだけでかなりピカピカになるものです。
部品が機能しないほどすり減ってしまうなんてことは、あまり気にしなくてもいいんじゃないかと思います。
もちろん何百回と磨くとなると、気にしなきゃいけませんが・・・。
ただし、ロゴマークなどの刻印部分は慎重に磨いてやらないと、刻印が消えてしまうことにもなりかねません。
デリケートな部分は人間の体と同じで、優しく優しくです。
このページでは、コールマン500ジェネレーターのニードル取り付け手順をご紹介します。
コールマン500ジェネレーターのニードル取り外しについては、以下のページでご紹介しています。
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コールマン500スピードマスターのジェネレーター整備|取り外し編
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ニードルねじ部の焼き付き防止にスレッドコンパウンドを塗布
コールマン500のメンテナンスでやりがちな失敗が、ジェネレーターニードルの取り外し時にニードルのネジ部をねじ切ってしまうというものです。
古いコールマン500は、ニードルとステムが固着している個体が多く、直径1mmほどのニードルのネジ部は思いのほかあっさりとねじ切れます。
80年ほど前に出荷された、当時のオリジナルジェネレーターが装着されているコールマン500は意外とよく見かけます。
80年間一度も交換されていないジェネレーターなら、当然ニードルとステムが固着しているでしょうから、慎重に作業してやる必要があります。
ニードルをステムに取り付ける際、あらかじめスレッドコンパウンド(耐熱潤滑剤)を塗布してやれば、以後のメンテナンスが格段に楽になるはずです。
私は下の写真にあるLOCKTITEを愛用しています。
コールマン500と並んで私の大好きなストーブ、ホエーブスのバーナーヘッドなども固着するとやっかいなので、ホエーブフリークにもおすすめです。
様々なメーカーから焼付き防止剤が出ているので、スレッドコンパウンドもしくは耐熱シリコン等で安いものをひとつ持っておくといいんじゃないかと思います。
スレッドコンパウンドはネジ部にほんのちょっと塗布する程度、指でひとなでといった量でOKです。
わかりづらいかもしれませんが、下の写真のように塗ったかどうかわからない程度で十分です。
ニードルをバルブステムに取り付ける
ニードル取り外し編の記事では説明を端折ってしまったのですが、ニードル含めキズをつけたくないパーツの取り扱いには上の写真のような工具がおすすめです。
ペンチやプライヤーの先端にプラスチックカバーがついているもので、真鍮製のパーツなど軟らかい素材を傷めずに済みます。
真鍮製のナットなどはすぐに工具の跡がついてしまいますよね。
ジェネレーターニードルのバルブステムへの取り付けなどにも使いたいところです。
ソフトタッチプライヤーなどで検索してみてください。
ソフトタッチプライヤーの代用品として、下の写真のようなゴムシートも結構使えるものです。
燃料キャップのパッキン打ち抜きで余ったNBRシートなど、幅1cm、長さ5cmほどあれば色々な場面で重宝します。
たとえば、今回のニードル取り付け時などにも以下の写真のように、ニードルに傷をつけずにペンチで挟むことができます。
上の写真の右側のようにゴムシートを使ってペンチでニードルを挟めば、ニードルに傷はつきません。
ペンチでニードルを挟んだら、ニードルをステムにねじ込むのではなく、コントロールノブを時計回りに回してねじ込みます。
くれぐれもねじ込みすぎにはご注意を。
ニードルだけでなく真鍮製のナットなど、軟らかい素材のパーツの取り付け取り外しには、ぜひゴムシートを使ってあげてください。
本皮のハギレなども丈夫でおすすめです。
ジェネレーターの組み付け
ニードルをステムにねじ込んだら、分解したジェネレーターを組み立てます。
上の写真のようにT字バルブにニードルを通していきます。
T字バルブのテーパー側にジェネレーター本体が付くので、反対側からニードルを挿入します。
この段階でT字バルブにステムを固定します。
ステム固定ナットはあまり強く締め付けるとノブの動きがきつくなりますので、組付け後に使いながら微調整するといいでしょう。
続いて下の写真のようにジェネレーターコイル、ジェネレーターパイプを組みつけます。
バーナープレートへの固定ナットも失くさないよう、この段階で軽くねじ込んでおけば安心です。
最後にコントロールノブを消火側に止まるまで回して、クリーニングワイヤーがジェネレーター先端から顔を出すのが確認できれば作業完了となります。
耐熱シリコングリースで動きをスムーズに
ステムの可動部分にはグラファイトパッキンが入っているので、動きが硬いからとCRCなどの潤滑剤を吹いてしまうとパッキンを傷めてしまいます。
ステム固定ナットの締め付け具合である程度は調整できますが、上の写真のような耐熱シリコングリースを使うのがおすすめです。
あらかじめピカールなどでステムとグラファイトパッキンの接触部分を磨いて滑らかにしてやるのもいい方法です。
ステムとグラファイトパッキンの接触部分に綿棒などで耐熱シリコングリースを薄く塗布し、10回ほどバルブの開閉をしてやると、動きが軽くなるのが実感できるかと思います。
はみ出したシリコングリースは汚れを呼んでしまうので、綺麗に拭き取っておきましょう。
以上で取り外したコールマン500のジェネレーターは元通りになっているはずです。
ジェネレーターをストーブ本体に取り付けるには、取り外しと逆の手順になります。
コールマン500ジェネレーターの取り外し手順については、以下のページでご紹介しています。
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コールマン500スピードマスターのジェネレーター整備|取り外し編
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コールマン500用ジェネレーターの流通在庫
Coleman 500のジェネレーターは純正品、リプロダクション品ともに生産が終了しています。
純正品もオークションなどでたまに見かけますが、リプロダクション品も流通在庫が限られてきています。
Coleman 500をお持ちであれば、ぜひ今のうちにスペアを持っておくことをおすすめします。
500用ジェネレーターは適切にメンテナンスしてやれば長く使えるパーツではありますが、いずれは寿命を迎えることになります。
Coleman 500用ジェネレーター純正品、リプロダクション品ともにショップにて取り扱っています。