ワコーズのタンクライナーでタンク内側からガッツリ4回もコーティングしたホエーブス625が、再度燃料漏れで修理に戻ってきました。
タンクシーラーを使ったホエーブス625タンクのピンホール修理については、以下の記事を参考にしてみてください。
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ホエーブス625タンクの燃料漏れ修理|ワコーズのタンクライナー編
久々にホエーブスのマイコレクションの数を数えてみたのですが、いつの間にか74台ものホエーブスが家に埋もれていることが判明しました。 あまりに増えすぎてしまったコレクションを整理するため、最近はPhoe ...
タンクライナーを再施工してみる
前回施工したタンクライナーがまだ残っていましたので、再度2回に分けてタンク内側からコーティングしてみました。
しかし、個体によっては作りが雑なホエーブス625もあり、もともとのタンクの溶接が甘かったのか、経年による腐食なのか、その両方なのか・・・。
タンク底面と側板の溶接部分からの燃料漏れが止まる気配がありません。
燃料漏れが起きている溶接部分の裏側を重点的にタンクライナーを回しているにも関わらず、ポンピングしてガス漏れ検知剤を吹くとタンク底面と側板の溶接部分からわずかに気泡が発生します。
燃料タンクのピンホールチェックに洗剤を使う方も多いと思いますが、安いガス漏れ探知剤をひとつ持っておくと便利です。
半田づけをしてみる
内側からピンホールをふさぐことができないのであれば、外側からなんとかするしかありません。
ただ、タンク底面という目立たない場所ではありますが、できれば外観が変わるような修理は避けたいものです。
フラックスがピンホールにうまく入り込み、そこにはんだを流せばピンホールがふさがるのではないかと思ったのですが・・・。
まったく効果なしで、はんだを剥がす手間が増えただけでした。
ロウ付け、もしくは溶接するしかないかとネットで燃料タンクのピンホール修理を色々調べてみると、溶接並みの強度を誇る接着剤、J-B オートウエルドというのが見つかりました。
J-B オートウエルド
J-B オートウエルドは1969年からアメリカで売られている商品で、開封後でも25年間の品質保証があり、世界で一番愛用されている強力接着剤らしいです。
耐熱温度が300度で耐水、耐油、耐酸性と、アウトドアストーブに使う接着剤としての基準は満たしていると思います。
硬化後はねじ切りができるほどの強度が出るようです。
J-B オートウエルドはエポキシ系の接着剤で、主剤と硬化剤を混ぜて使用します。
エポキシ系の接着剤は、小学~高校時代の趣味だったラジコン飛行機の製作によく使用したので、個人的にはすごく馴染みがあります。
早いものだと5分で実用強度に達するものまであり、硬化時間の速さと硬化後の強度はよく知っています。
また、硬化後の収縮がないため、隙間を埋める充填接着などにも向いた接着剤です。
なので、ホエーブスのタンクに空いたピンホールごと覆って接着してしまえば、おそらく燃料漏れは止まるのではないかと思いました。
J-B オートウエルドの施工
J-B オートウエルドはアマゾンでの価格が1,500円ほどで、主剤と硬化剤を混ぜない限りは使い残しの保管が利くのも嬉しいです。
黒色の主剤と白色の硬化剤を混ぜると、上の写真のような灰色のペースト状になります。
主剤と硬化剤を混合した瞬間から硬化が始まるので、作業は手際よく行う必要があります。
説明書によると硬化開始まで30分、実用強度に硬化するまで6時間、完全硬化まで24時間以上となっています。
タンク底面と側板の溶接部分を残してマスキングテープを貼り、硬化後に上から塗装することにしました。
目隠し塗装
できれば内圧のかかるタンク内側からピンホールをふさぎたかったのですが、今回は外側からふさぐ荒療治となりました。
タンクに燃料を入れて2時間ほど点火してみましたが、燃料もれは止まったようです。
エポキシ系の接着剤がホワイトガソリンや灯油といった燃料に侵されることはないので、今後補修した部分から燃料が漏れるということはないのではないかと思います。
エポキシ系の接着剤は振動、衝撃、温度変化に強いのも特徴です。
タンク内側をコーティングしたワコーズのタンクライナーもエポキシ系のタンクシーラーです。
灰色の接着剤による補修痕を目立たなくするため、ホエーブスの塗装色に近いカッパー色のスプレー塗料を吹きました。
耐熱クリアーを吹いて仕上げとなります。
古い個体のタンクメンテナンス注意点
きちんとメンテナンスされてきたホエーブスならいいのですが、ヤフオクやeBayなどで入手する個体の多くは長く放置されてきたものであったり、壊れたものが多いです。
特にさびやすい鉄製タンクを持つホエーブスの場合、外観に錆があればほぼ間違いなくタンクの中も錆びていると思っていいでしょう。
レストアベースの個体を入手してまず行うのがタンク内のさび取り作業だと思いますが、錆を取ったばかりに燃料が漏れだすといった経験を私は何度も経験しています。
タンク内の錆自体がピンホールのふたの役目をしているケースが多々あるんです。
だからと言ってタンク内の錆を取らないほうがいいというわけではなく、タンクの錆取りとタンク内のコーティングはセットでやるのがおすすめです。
錆取り後の試験点火では問題なかったものの、1週間後にタンクからの燃料漏れが起きた今回の個体も、おそらくピンホールをふさいでいた錆が剥がれ落ちたために燃料が漏れだしたものと思われます。
錆取りに使う薬剤によっては、すぐに新たな錆を呼んでしまうものもあるので、オール鉄製タンクを持つホエーブスの場合、錆取りに使う薬剤にも気を遣う必要があります。
私は色々試した結果、ホエーブスとオールドコールマンのタンクのメンテナンスは「花咲かG」+「タンクライナー」で落ち着いています。
どちらも少々値が張るのですが、相棒たちに末永く現役でいてもらうには、それなりの薬剤を使う必要があるかなと思ってます。