船便で1か月かけてやってきたコールマン500カナダ。
米国ではスピードマスター、カナダではスポーツマスターとして販売された、502ストーブの初期型ともいえるシングルバーナーモデルです。
パステルカラー、シーフォームグリーンのカナダモデルは、1947年の2月と3月のみというわずかな期間しか製造されなかったため、希少性の高いストーブです。
状態の良いものはなかなか手放す人も少ないため、たまにオークションで見かけるものはそのままの状態で使用できるものは少ないです。
入荷時の状態
今回入手した個体も錆がひどく、バーナーリング固定ネジは片方が根元で固着したまま折れていました。
バーナーリング固定ネジは当時の物とはやや形状が異なりますが、純正部品が入手できたため新品に交換してあります。
それでもたまに使用していたのかタンク内に錆は見られず、燃料キャップのパッキン交換のみで未整備にもかかわらず点火できました。
ただ、これまでのオーナーがどこかで燃料チューブのアセンブル(配管)を間違えて、本来とは違う場所でジェネレーターと接続する形になっていました。
下の写真にあるように、カラーを削って燃料チューブをアセンブルしています。
今後のメンテナンスを考えると、オリジナルの配管に戻しておいた方が良さそうなので、オリジナルの状態に組み直しました。
磨きは最小限に
磨けば磨くほど貴重なオリジナル塗装を削ってしまうことになるので、タンクはおもに重曹を使って汚れを落とし、取り切れない汚れのみケミカルを使いました。
フレーム、ゴトクはケミカルと真鍮ブラシで丁寧に錆を落としてあります。
刻印のあるオリジナルジェネレーター
初期のコールマン500カナダには、ジェネレーターにサンシャインマークと「MADE IN CANADA」の刻印があります。
この刻印があるジェネレーターがついている個体は、オリジナルジェネレーターが装着された非常に希少な個体です。
消耗部品であるジェネレーターにまで、こうして手をかけていた当時のクラフトマンシップには感動します。
ジェネレーターもきちんとメンテナンスしてやれば長く使える部品です。
この刻印のあるオリジナルジェネレーターは、次のオーナーにもぜひとも大事にしていただきたいです。
タンク裏面のスタンプ
初期のコールマン500にはタンクの底にモデルナンバーのスタンプが押印してあります。
これも工場でひとつひとつ作業員が押印していた様子を思い浮かべると、感慨深いものがあります。
100%とは言い切れませんが、タンク裏面にこのスタンプがあれば、その個体はリペイントされていないと考えることができます。
オークションなどでは、ペイントがオリジナルかリペイントされたものかの判断が難しいこともあり、このスタンプの確認はモデル500以外にもオールドコールマンでは有効な方法のひとつです。
分解整備後の点火動画
このコールマン500カナダはフィラーキャップのパッキン交換のみで点火できた大当たりの個体だったのですが、分解整備後の点火状態について動画を撮影しています。
このコールマン500カナダはショップにて購入いただくことができます。
写真の追加や状態の確認については、コメントいただければ対応いたします。