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コールマン226ピークワンランタンのバルブ&フューエルチューブ修理

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コールマン226

上の写真はショップでお預かりした、コールマン226ピークワンランタンの修理完了品。

ピークワンランタンはモデル222から始まり、222A、222Bと続き、この226になります。

ピークワンランタンは管理人が高校生の時にはじめて手にしたコールマンでもあり、もっとも思い入れのある機種です。

 

修理のご依頼内容

コールマン226

上の写真がお預かりした際の226。

もう少し詳しく見てみます。

 

コールマン226
コールマン226
コールマン226

点灯しても5分ほどで消えてしまうということで、ネットで調べた情報をもとに修理に取り掛かったということでした。

一般に上記症状はフューエルチューブの詰まりが原因のことが多いため、バルブアセンブリーを外すところから始めます。

ところが、バルブアセンブリーの固着がきつかったのでしょう。

取り外し時に部品が変形してしまい、バルブノブが挿入できなくなってしまったというものです。

 

バルブアセンブリーの取り外し

一度もオーナーによって分解されていない工場出荷状態のバルブアセンブリーは、ランタン、ストーブ問わず取り外しに難儀することが少なくありません。

適切な工具の使用が何より大切です。

また、工場出荷状態のバルブアセンブリーは接着剤のようなシール剤が使われているものもあり、下の写真のようにシール剤をトーチバーナー等で溶かしながら作業すると取り外しが楽になります。

 

コールマン226

コールマン226
コールマン226

使用するトーチバーナーは炙るべき部分をピンポイントで狙えるものがおすすめです。

管理人はプリンス製のGT-3000Sを作業でよく使います。

片手で着火、消火ができるので使い勝手は抜群です。

バルブアセンブリーを取り外す際は、下の写真のようにできるだけ口の長いモンキーレンチやスパナを使用して、部品の角を舐めたりといった変形をさせないようにします。

 

バルブアセンブリーの取り外し

バルブアセンブリーを取り外し、フューエルチューブとエキセントリックブロックの状態を確認します。

226のバルブアセンブリー 226のフューエルチューブ

エキセントリックブロックは問題なさそうですが、フューエルチューブがずいぶん曲がっているように見えます。

通常使用していてフューエルチューブがこのように変形することはないので、もしも一度も分解していない個体であれば、組付け不良の可能性もあります。

多くのコールマン製品は流れ作業で大量生産されるものなので、まれに組付け不良の個体もあったりします。

バルブステムの修理

燃焼不良がフューエルチューブの詰まりが原因で起きているかはともかく、バルブノブが挿入できなくなってしまったバルブステムの修復から始めます。

下の写真の赤丸で囲った、バルブステム内側に飛び出してしまった部分をリューターを使って切削研磨していきます。

バルブアセンブリー

コールマンの切削研磨

226のバルブステム

上の写真が切削研磨を終えた部品。

研磨しすぎないよう現物合わせで作業します。

下の写真のようにバルブノブがステムに挿入できるようになりました。

コールマン226のバルブステム

フューエルチューブの修理

フューエルチューブを詳しく見ると、下の写真のようにインナーチューブに亀裂が入っているようにも見えます。

フューエルチューブ

さらに、フューエルチューブを振ってみるとカチカチと音がして、インナーチューブが宙ぶらりんになっているのがわかりました。

つまり、二重管構造のフューエルチューブの内側のチューブが折損していることになります。

この状態では燃料がうまく上がっていかず、5分ほどで消えてしまうという症状にも合点がいきます。

修理の方法としては、フューエルチューブを交換できれば早いのですが、この個体に合う手持ちの部品がないため、分解して直すしかありません。

今回はロウ付けされているアウターチューブのロウがうまく溶けなかったため、下の写真のようにリューターでロウ部分を削り取りました。

リューターでロウ部分を削り取る

フューエルチューブのように小さな真鍮部品は、ロウ付けをはがす際トーチバーナーで炙りすぎると簡単に溶解してしまうので注意が必要です。

これまで何度も部品を溶かしてきました・・・。

強力なバーナーを使うと、小さな真鍮部品は本当にあっけなく溶けます。

あまり見る機会がないのではと思いますが、多くのコールマン製品に装着されているフューエルチューブは分解すると下の写真のような構造になっています。

フューエルチューブ フューエルチューブ

分解したフューエルチューブは綺麗に洗浄してから、下の写真のように組みなおし、インナーチューブとアウターチューブをねじ込み部にロウ付けします。

フューエルチューブ フューエルチューブ フューエルチューブ フューエルチューブ

バルブアセンブリーの動作確認

バルブアセンブリー

上の写真がすべての作業が完了した組み付け前のバルブアセンブリー一式。

Oリングをすべて新品に交換して、耐熱シリコンを塗布してから組み上げます。

 

今回はバーナーフレームとジェネレーターもお送りいただき燃焼確認もする予定だったのですが、カラーが同梱されていなかったためジェネレーターからの燃料吐出確認をもって修理完了となります。

下記動画のように、霧状の燃料が滞りなく吐出されていれば正常です。

タンクの塗装状態が素晴らしい個体でしたので、ぜひ大事に使い続けてほしいと思います。

不具合のあるピークワンランタンをお持ちでしたら、ご相談いただければと思います。

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