4~5分ごとにポンピングしないと暗くなってしまうという、ピークワンランタン222Aのお問い合わせがショップにありました。
管理人が初めて手にしたコールマン製品でもあるカナダグリーンの222Aは、35年来の旅の相棒でもあり、管理人がもっとも愛するモデルです。
200Aなどのランタンと比べると、燃料タンクが格段に小さい222は、たしかにマメなポンピングが必要ではあります。
ただ、4~5分に1回ポンピングが必要というのは、おそらく何か問題があるはずです。
電話でやり取りをして、劣化が疑われたバルブステムのOリング交換もしていただいたのですが劇的な症状改善には至らず、本体をお預かりすることになりました。
頻繁なポンピングが必要であった原因はフューエルチューブのつまりでした。
フューエルチューブを丁寧に洗浄してやることで正常燃焼するようになったのですが、バルブをOFFにしても燃料とエアが止まらないこともわかりました。
タンクの圧が妙に早く抜けてしまうと感じる222の場合、バルブステムのOリング交換で直るケースが多いですが、エキセントリックブロックのOリング劣化も疑ってみるべきです。
今回はコールマン222ランタンのエキセントリックブロックについているOリング(パッキン)のお話です。
コールマン222のエキセントリックブロック
上の写真はコールマン222ランタンのバルブステム内にある、エキセントリックブロックのOリング装着部分です。
エキセントリックブロックの取り出し方法については追ってご紹介します。
このパーツはジェネレーター内のクリーニングニードルの上げ下げ、タンクからの燃料のON/OFFを制御する重要な役割を持っています。
オリジナルでついているOリングは青色です。
お持ちの222ランタンに青色のOリングが装着されていたら、製造から一度も交換されていないと考えていいでしょう。
管理人の222Aの場合、35年間無交換でまったく問題ありませんでした。
バルブをOFFにしてから消火までの時間がやけに長くなったと感じた時が、エキセントリックブロックのOリング交換時期です。
一時的に燃料やエアの漏れを止める方法
エキセントリックブロックのOリングが交換が必要なほど劣化している場合、間違いなくバルブステムのOリングも交換が必要です。
どちらのOリングも下の写真のように耐熱シリコンをたっぷり塗布することで、一時的には燃料やエアの漏れを止めることができるケースは多いです。
コールマン222のバルブステムのOリング交換については以下の記事をご覧になってみてください。
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コールマン222AのバルブステムOリング交換手順|燃料漏れの修理
高校生のときから、もうかれこれ35年ほど愛用しているガソリンランタン、コールマンモデル222A。 登山やキャンプに持って行くのに邪魔にならないコンパクトなサイズで、小さいながらも頼もしく、独特の燃焼音 ...
エキセントリックブロックの取り出し方
上の写真は222ランタンのバルブとフューエルチューブです。
13mmのスパナでタンクから取り外すことができます。
バルブノブをつけたままだとバルブを回すときにタンクと干渉するため、バルブ取り付け取り外し時にはマイナスドライバーで固定ネジを緩めてはずしておきます。
エキセントリックブロックはフューエルチューブの上、バルブ内にあるため、フューエルチューブをはずす必要があります。
フューエルチューブをはずす
フューエルチューブは出荷時かなりきつくバルブにねじ込まれている個体が多いです。
ペンチやプライヤーでそのまま挟んで回すと、管理人の過去の経験上かなりのキズが付きます。
上の写真のようにフューエルチューブに傷をつけないよう、ソフトプライヤーなどを使いましょう。
ただ、ソフトプライヤーでは滑って歯が立たないほどきつくねじ込まれている個体も少なくありません。
その場合には下の写真のように、ゴムの切れ端、皮のハギレなどを使って金属ペンチやプライヤーではずします。
バルブステムを抜き取る
フューエルチューブをはずすと、上の写真のようにバルブ内にエキセントリックブロックが見えるはずです。
バルブステムのOリング交換の要領でバルブステムを抜き取ると、エキセントリックブロックがストンと出てくるかと思います。
少ない部品数で、よくこのようなランタンが作れるものだと感心してしまいます。
エキセントリックブロックのOリング交換
上の写真はサイズを測るためNOSバルブから取り外した、エキセントリックブロックについているOリングです。
製造時に装着されたものなので40年ほど経過しており、取り外す際にちぎれてしまいました。
現在のようにフッ素ゴムなど高性能なパッキン素材ではないので、触るとガチガチに硬化していました。
パッキン屋さんから色々なサイズと材質のOリングを取り寄せて、現在は下の写真のようにオリジナルよりやや大きいサイズのフッ素ゴム製Oリングを使っています。
ショップで取り扱っていますので、必要であれば1個からお送りできます。
エキセントリックブロックのOリングは、フッ素ゴムなどの高性能な素材のものに交換しておけば、頻繁に交換が必要になることはありません。
もともと装着されていたオリジナルのOリングでも、管理人の222Aでは35年以上も交換の必要がなかったほどです。
バルブOFF時に圧縮される程度で、あまり負荷のかかるOリングではないため長持ちするのでしょう。
交換用Oリングをエキセントリックブロックに装着したら、バルブ内に戻す前に耐熱シリコングリスをたっぷりと塗布しておきます。
エキセントリックブロックに刻まれている溝をバルブステム側に向けるようにして、エキセントリックブロックをバルブ内に挿入してからバルブステムを差し込みます。
下の写真のような状態になっていればOKです。
フューエルチューブを取り付ける
上の写真は222ランタンのフューエルチューブです。
せっかく取り外したのであれば、あわせて洗浄しておくのがおすすめです。
パーツクリーナーやキャブレタークリーナーに一晩漬けておくだけでも、かなり内部が綺麗な状態になります。
フューエルチューブは出荷時にきつくねじ込まれていると上述しましたが、組み込み時に一工夫することで以降のメンテナンスが楽になります。
出荷時のようにきつくねじ込むのではなく、液体ガスケットを使ってやることで同じ効果が得られます。
液体ガスケットがなければ、シールテープを薄く1~2巻き巻いてやってもいいです。
液体ガスケットを塗布する際は、下の写真のようにふき取りの手間がないように少なめに塗布するのがコツです。
コールマン222A復活
上の動画は今回ショップでお預かりした222A。
タンク底に錆が見られず、とても状態の良い個体でした。
カナダグリーンの222、222Aはオークションでもなかなか状態の良いものが出てこないので、ぜひ大事にしていただきたいです。
222Aの小さくても明るいところはもちろん、なんといっても可愛らしいところが管理人には魅力です。
調子が今ひとつの222ランタン、がんばって直しますよ~。
お気軽にお問い合わせください。