上の写真はコールマン500スピードマスターのジェネレーターニードル。
折れてしまった先端の針を再生修理したものです。
モデル500用のジェネレーターニードルはアフターマーケットでリプロ品もあり、米国のパーツショップから入手できます。
ただ、オリジナルと遜色ない動作をするかという点では品質にばらつきがあり、ニードル先端の研磨をしないと思うような弱火が実現できなかったりします。
真鍮製のリプロ品ではなくオリジナルにこだわるのであれば、中古の個体から鉄製ニードルを移植するかNOS(デッドストック)を探すことになります。
今回は手先の器用さが求められますが、折れてしまったジェネレーターのクリーニングニードル再生修理をご紹介します。
特別に必要なもの
ジェネレーターのクリーニングニードル再生修理に必要な材料は、ニードル先端の針のみです。
使う工具は手持ちのドリル、ニッパー、ペンチ等の一般的な工具でOKですが、マイクロドリルが必要です。
以下、詳しくご紹介しますので読み進めてみてください。
クリーニングニードル用の針
上の写真は昆虫針と呼ばれるもので、昆虫標本作成に使用されるものです。
様々な太さが用意されているので、必要な径の針でモデル500に限らず色々なジェネレーターのクリーニングニードル再生修理が可能になります。
コールマン500のクリーニングニードル径は約0.3mm。
No.0の昆虫針が0.3mmです。
これを必要な長さにカットしてニードル先端に埋め込みます。
昆虫針には有頭、無頭がありますが、使うのは先端だけなので安く入手できるほうでいいでしょう。
研磨ができるのであれば、適当な材料を加工して0.3mmの針を作るのもいいかと思います。
マイクロドリル
コールマン500のクリーニングニードル先端のワイヤー径は約0.3mm。
今回の修理では欠損した0.3mmのクリーニングワイヤーの代わりに、0.3mmの昆虫針を埋め込みます。
0.3mmの昆虫針をクリーニングニードル先端に埋め込むためには、クリーニングニードルに0.3mm以上の穴あけが必要です。
ただ、ドリル径が細ければ細いほど作業中に折れやすくなりますので、今回の作業では0.45mmのマイクロドリルを使用しています。
マイクロドリルは非常に折れやすく、消耗品と割り切って安くて本数のあるセット品で揃えるのがおすすめです。
ニードルに穴を開ける
穴を開けるニードルは、あらかじめ金属やすりで平面出しをしておきます。
キリなどでマイクロドリル用の目打ちをしておけば完璧でしょう。
下の写真のように、皮のはぎれなどをあててバイス等でニードルを固定すると作業がしやすいかと思います。
上述したようにマイクロドリルは非常に折れやすいので、潤滑油を使用しながら焦らずに穴あけ作業をします。
旋盤やドリルスタンドがあれば正確な穴あけができますが、下の写真のような感じの手作業でも十分可能です。
ニードルにクリーニングワイヤーを挿入する
ニードル先端に挿入するクリーニングワイヤーの長さは、バルブステムへのニードルのねじ込み量との兼ね合いもあり、現物合わせをするのがベストです。
管理人の経験では、上の写真のように4.5~5mmにしておけば、ほぼ機能します。
純正のクリーニングワイヤーの長さが約5mmです。
上述の昆虫針など、クリーニングワイヤー素材をカットする際には、ニッパー等ではなく下の写真のようなケーブルカッターを使うと切断片が飛散することなくおすすめです。
クリーニングワイヤーをニードルにカシメる
ニードル先端に挿入したクリーニングワイヤーは、長さ4.5~5mmにして上の写真のようにニードルにカシメて固定します。
管理人は手持ちのニッパーのワイヤーストリッパー部分を使用しました。
ニードルを完全につぶしてしまうことなく、適度に圧着できるような感じの手持ちのペンチやニッパー等がないか探してみましょう。
下の写真のようなラジオペンチの根元部分等、カシメ工具の代用品は身近に色々とあるものです。
再生ニードルの動作確認
写真上がコールマン500純正ニードル、下が今回作成した再生ニードルです。
純正ニードルより再生ニードルのほうが、微調整が効きそうなテーパー具合に見えます。
下の動画は実際に再生ニードルを取り付けた40A製のモデル500になります。
毎日のようにコールマン500を整備していますので、お困りの際はご相談いただければと思います。