上の写真はショップでお預かりしたコールマン576。
とろ火ができるストーブとして人気の高いコールマン2レバーの原点とも言えるモデルです。
ただ、交換用ジェネレーターの入手がネックで、ショップに修理依頼の多いモデルでもあります。
2023年現在ショップにモデル576用新品ジェネレーター505-5571、もしくは互換品番505A5571(505A557C)の在庫はありますが、在庫がなくなってしまったらどうするか・・・。
また、新品ジェネレーターの価格も2万円ほどになりますので、使用を続けるか悩ましいユーザーも多いのではないかと思います。
モデル576はコールマン社に修理依頼で送っても「部品がない」という理由で返送されるケースが多いと聞きます。
そういった背景から管理人のところにも修理可能かの問い合わせがよくきますが、実機を見てみるとなんてことはない状態であることもよくあります。
今回お預かりした個体も「ジェネレーターの在庫がない」という理由でコールマン社から返送されたということでした。
タンク裏面にコールマン社が点検した証明シールが貼られていましたが、ネジのひとつも回した形跡がなく、部品なしで修理不可という扱いになったのではと推測します。
実際にポンピングしてみると圧もかかり、燃料バルブを開くとエアーの吐出音も聞こえます。
この時点でジェネレーター交換は必要なさそうだと推察できます。
オーナー様からは燃料バルブを閉じても火が消えないと聞いていましたので、管理人はバルブコアの劣化が不調の原因ではないかとあたりをつけていました。
バルブコアというのは下の写真のように、燃料バルブの内部にねじ込まれている部品です。
自転車や車、バイクにも使われている「虫」とも呼ばれる部品になります。
上の写真左が新品、右が中古部品ですが、黒いシール部が劣化しているのがわかるでしょうか。
バルブコアのシール部が劣化すると、燃料バルブを閉じてもガスが漏れ続け、消火できなかったり消火に時間がかかるようになります。
モデル400、576、505などピークワンストーブを使っていて、消火に時間がかかるようになったなぁと感じたら、このバルブコアの劣化を疑ってみてみてください。
自転車や車、バイクなど空気に対して使用するのであれば、カー用品店等で売られているバルブコアでいいのですが、耐ガソリン性はありません。
シール部がシリコン製の自転車や車、バイク用バルブコアはガソリン下ではシリコンが変質して、すぐに使えなくなります。
ランタンやストーブで使用するバルブコアは、シール部がバイトンやフッ素ゴム製かを確認することが必要です。
今回お預かりした576はバルブコアの交換、燃料バルブ一式の分解洗浄、ジェネレーターの分解洗浄とグラファイトパッキン交換で、下の動画のように綺麗に燃焼するようになりました。
すべてが修理可能なわけではありませんが、メーカー修理を断られてお困りのランタンやストーブがありましたら、ご相談いただければと思います。