管理人がもっとも愛する火器のひとつ、ピークワンランタン。
高校生の時はじめて手にしてから、もう35年ほど。
今でも元々付いていたジェネレーターが使えています。
きちんとメンテしてやれば長く使えるのがオールドコールマンのいいところ。
ピークワンランタンはいつの間にかビンテージランタンの仲間入りをしていたようで、オークション等でもいい値段で取引されるようになりました。
点火しないピークワンランタンの中には、クリーニングしてやるだけで復活するものも多いです。
今回は点火しないピークワンランタンのトラブルシューティング、ジェネレーター編をご紹介します。
燃料またはエアーが吐出するか
点火しないピークワンランタンのトラブルシューティングの第一歩は、ジェネレーターに詰まりがないかの確認です。
バーナーフレームを取り外し、ジェネレーター先端が見えるようにします。
正常なジェネレーターの場合、下の写真のようにジェネレーター先端から霧状の燃料が吐出します。
息継ぎしながら燃料が吐出されるのは、ピークワンランタンの仕様で正常な状態です。
正常な状態の燃料吐出は以下の動画をご覧になってみてください。
燃料またはエアーが吐出しない
ポンピングして燃料バルブを開けても、ジェネレーター先端から燃料またはエアーが吐出しない場合には、ジェネレーターまたはフューエルチューブの詰まりの可能性が濃厚です。
ジェネレーターチューブそのものが詰まることはまずないので、先端のガスティップを取り外します。
ガスティップの内径は0.12mmほど。
人の髪の毛より細いかもしれません。
下の写真のように肉眼でガスティップの詰まりを判断するのは難しいでしょう。
エアーダスターかパーツクリーナーを吹いてみる
軽微な汚れの付着であれば、エアーダスターかパーツクリーナーを吹いてやることで、ガスティップの詰まりを除去できる可能性があります。
一晩ほどパーツクリーナーに漬け置きするのも汚れ除去に効果があります。
千枚通し等でガスティップ内部をグリグリするのは、ガスティップ内径を変えてしまう恐れがあります。
パーツクリーナーがガスティップの穴から噴き出すようであれば、クリーニング完了でいいでしょう。
掃除針でガスティップをクリーニングする
0.1mm強の小さな穴をクリーニングするには、0.1mmのワイヤーや掃除針を使います。
素材はなんでもいいと思いますが、耐久性を考えるならサビないステンレス製がおすすめです。
工具として持つのであれば、いくつかのサイズがセットになった掃除針セットがいいかと思います。
ホーザン(HOZAN) ノズル掃除針セット 線径:φ0.2mm/φ0.3mm/φ0.4mm/φ0.6mm/φ0.8mm/φ1.0mm HG-5 ノズル孔など...
ピークワンランタンの整備に限れば、0.1mm、0.2mm、0.4mmがあれば、ジェネレーターとフューエルチューブのひと通りがメンテナンスできます。
管理人は価格の安いホーザン(HOZAN)製の掃除針セットを愛用しています。
0.1mmのワイヤー、または掃除針をガスティップに通すには、ピンセットを使うと楽です。
ピンセットも逆作用ピンセットという、手を離すと固定してくれるタイプのものを使うと疲れません。
異物の除去
ガスティップに通したワイヤー、または掃除針を何回か前後にスライドさせて、内径をクリーニングします。
上の写真の赤丸のように、煤の塊が出てくることもあります。
ガスティップの内径が煤やタール等でふさがっていると、ニードル先端のクリーニングワイヤーの破損にもつながります。
ピークワンランタンのクリーニングワイヤー再生は難度が高い修理になります。
普段からちゃんとクリーニングしていれば、222や222Aなど初期のモデルに装着されていたG2、G2Aジェネレーターはとても長く使えるものです。
不調の原因がジェネレーターではないケース
上の写真はコールマン222のフューエルチューブ。
フューエルチューブに付着した緑青が悪さをしている典型的な状態です。
ジェネレーターチューブ、ガスティップを清掃してもピークワンランタンが上手く点灯しない場合には、ほぼフューエルチューブの詰まりによるものです。
フューエルチューブの詰まり修理については以下のページで詳しくご紹介しています。
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コールマン222ピークワンランタンのフューエルチューブの詰まり修理
上の写真はコールマン222Bに取り付けられていたフューエルチューブ。 品番222-1461の部品で、正式には「Fuel and Air Tube」と呼びます。 なかなか単体では出てこない希少な廃盤部品 ...
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