上の写真はショップでお預かりしたコールマン2レバーストーブ用ジェネレーター、品番508-5891です。
黒レバーが抜けないということで、グラファイトパッキン交換をご依頼いただきました。
今や新品の2レバーストーブ用ジェネレーター508-5891、400-5891などは、そこそこの中古ストーブ本体が買えてしまう値段になっています。
そもそも新品の508-5891、400-5891を見つけること自体が難しくなってきています。
そんな背景もあって、2レバーストーブ用ジェネレーターの再生修理、グラファイトパッキン交換作業のご依頼を多くいただきます。
今回は508-5891ジェネレーターのグラファイトパッキン交換、メンテナンスのコツをご紹介します。
ロウ付け溶解に注意
ご自身で508-5891や400-5891のグラファイトパッキン交換にトライしたみたい場合には、2レバージェネレーター再生マニュアルをご活用いただければと思います。
マニュアルでは黒レバーの引き抜き方法等もご紹介しています。
グラファイトパッキン交換作業では黒レバーを引き抜く関係上、下の写真のようにトーチバーナーなどを使用します。
黒レバー挿入部奥にあるスペーサーが固着しているケースが多く、スムーズに黒レバーが引き抜けるのは稀です。
トーチバーナーなどでスペーサー挿入部の外側を熱して、金属膨張を利用して引き抜くのですが、部品のロウ付けを溶かしてしまったというご相談もよくいただきます。
下の写真のようにロウ付けが溶けて部品がバラバラになってしまったり、黒レバーが折れてしまっても修理は可能です。
2021年現在、グラファイトパッキン交換作業は5,000円、折れた黒レバーのリプレースメント品作成はグラファイトパッキン充填込みで8,000円でお請けしています。
ジェネレーターチューブの洗浄
508-5891や400-5891など2レバーストーブ用ジェネレーターはストレート型でないため、内部洗浄が難しい部品です。
ジェネレーターチューブ内部のコイルと芯を取り出すことができないため、ショップでは内部のタールをバーナーで焼き切った後、超音波洗浄機にかけて仕上げます。
ジェネレーターチューブ内部のタールをバーナーで焼き切る作業は、燃料の通りがかなり改善しますので、火力が今ひとつと感じた時にぜひ試してみてほしいと思います。
特にジェネレーターチューブの曲がり部分にタールが溜まりやすいため、下の写真のようにバーナーを長めに当ててやるといいです。
上述しましたが、くれぐれもロウ付け部分にバーナーを当てすぎないことです。
超音波洗浄機がなくてもタールをバーナーで焼き切った後、丁寧にパーツクリーナーを通してやるだけで、燃料の通りはかなり改善するはずです。
最終仕上げ
ショップでお預かりしたジェネレーターの修理品は、だいたい上の写真のような状態にクリーニングしたうえでご返送しています。
汚れの状態にもよりますが、クエン酸水溶液に数時間~1日程度つけて真鍮製品独特の変色を落とし、ピカール等で軽く磨きます。
使い込んだジェネレーターは、磨いたばかりにピンホールが空くといったこともあるので、磨き作業は適度に留めます。
金属は磨けば磨くほど摩耗しますので、真鍮製品独特の変色が気にならないのであれば、歯ブラシ等でジェネレーター表面の煤を落とすだけで十分です。
ジェネレーターの磨きには、素材を研磨しすぎないピカールあたりがおすすめです。
オールドコールマンは自分で直す楽しさを教えてくれる火器なので、まずは色々と試行錯誤してみてほしいと思います。
どうしてもうまくいかないときは、ご相談いただければと思います。