なんでこんなに固いんだ!
古いランタンやストーブをメンテしていると、固くて一筋縄では回りそうもないバルブに出会うことはよくあります。
いわゆるオールドコールマンあるあるというヤツです。
昔は現在のように優れたシール剤はなかったでしょうから、ランタンやストーブの燃料バルブなど気密性を保つ必要がある部品には接着剤のようなものが塗布され、結構な力で締め込まれていたようです。
このまま回したらバルブがねじ切れてしまうんじゃないかというぐらい、うんともすんとも言わないようなオールドコールマンに出会うことも珍しくありません。
今回は管理人の愛してやまないモデル222の、工場出荷時から一度も取り外されたことのない固着した燃料バルブの取り外しをご紹介します。
セメントのようなものを除去する
上の写真はコールマン222の燃料バルブ。
白いセメントのようなものが塗布された状態でタンクにねじ込まれています。
個体によっては白いセメントのようなものではなく、赤茶色の接着剤のようなものが使われています。
他のモデル、例えばコールマン500などには透明の接着剤のようなものが使われていたりして、いずれも成分はよくわかりません。
まずは千枚通しなどで、下の写真のように可能な限りセメントのようなもの、もしくは接着剤のようなものを除去します。
接着剤のようなものを溶かす
白いセメントのようなもの、もしくは接着剤のようなものの役割は、おそらくシール剤兼燃料バルブのゆるみ止めかと思われます。
なので、そのまま燃料バルブを回そうとしても、固くて回らないケースが多いです。
下の写真のように、燃料バルブの根元をトーチバーナー等で炙り、白いセメントのようなもの、もしくは接着剤のようなものを熱することで、燃料バルブが回りやすくなるはずです。
タンクの塗装を傷めないよう慎重な作業が求められますが、ピンポイントで炙る場所が狙えるトーチバーナーを使うのがおすすめです。
片手で着火できるスライドガストーチ、ハンディトーチあたりが使いやすいです。
今回はハンディトーチを使用しています。
燃料バルブを回す
トーチバーナー等で燃料バルブの根元を炙ったら、冷めないうちに燃料バルブを回します。
燃料バルブをタンクから取り外すには、燃料バルブを万力に挟み、タンクを回すという方法がコールマン社推奨のやり方です。
てこの原理を利用するので、小さな力で燃料バルブが取り外せるはずです。
ただ、この方法は小さな力で燃料バルブが取り外せる反面、タンク側の燃料バルブ基部を簡単にゆがめてしまうリスクがあります。
また、そもそも万力を使える環境が整ってない方が大半じゃないかと思います。
今回は万力を使用せずに、タンクから燃料バルブを取り外す方法をご紹介します。
用意する工具は2つ。
モンキーレンチとハンマーです。
下の写真のように、燃料バルブをモンキーレンチでしっかりと挟み、タンクごと膝の上に乗せ、ハンマーでモンキーレンチを勢いよくたたきます。
一気に大きな力をかけるのがコツです。
写真ではイメージがつかみにくいかと思いますので、以下の動画をご覧いただければと思います。
一度も取り外されないまま40年ほど経った燃料バルブは、下の写真のように緑青で覆われています。
中古の222の不具合の多くはこの辺りが原因です。
フューエルチューブの二重管内部が緑青でふさがると、正常な燃焼をしなくなります。
ジェネレーターをクリーニング、もしくは交換してもうまく燃焼しない222は、燃料バルブとフューエルチューブの分解清掃で9割がた直ります。
それでも調子が今ひとつというのであれば、ご相談いただければと思います。