上の写真は1941年製コールマン500、レアなアイボリーカラー。
ヤフオクやeBayで、数年に1回出てくるかどうかという個体数の少ないモデルです。
未整備のまま倉庫に眠らせていたのを思い出し、引っ張り出しました。
入手時には薄汚いサビサビの個体でしたが、レストア作業をしてみると、オリジナルの耐熱ブラック塗装もほどよく残っていて、アイボリーペイントの状態もまあまあといったところでしょうか。
クリーニング時に外観でダメージのある部品はなかったので、順調に組みあがりとなりました。
燃料を入れて試験点火も順調にと行くかと思いきや、ポンピングと同時に何やらストーブの周りが濡れています。
燃料系のナットの締め付けが甘かったかと、ひと通り増し締めしてみたものの燃料漏れは変わらず・・・。
燃料を抜いて燃料バルブを閉じポンピングして耳を澄ましてみます。
タンクの中心のほうから、わずかにシューっという音が聞こえてきます。
ガス漏れ検知剤を吹いてみると、下の写真の部分から泡が・・・。
フィードチューブの、ちょうどカラーとバーナープレートが干渉するあたりから泡を吹いています。
このケースは部品素材の真鍮が摩耗したか、金属疲労かでピンホールもしくはクラックが入った可能性が高いです。
下の写真にある品番500-6571のバルブアセンブリーを外してみます。
上の写真のように、やはりクラックが入っていました。
フィードチューブはそれほど高温にさらされる部品ではないので、JBウェルドのような耐熱ボンドでのクラック修理でもいいかと思います。
しかし、タンク内圧がかかることを考えるとロウ付けでのしっかりしたクラック修理が望ましいかと思います。
ロウ付け作業は環境の準備等もあり気軽にできる修理方法ではないのですが、ロウ付けができると修理の幅が広がりますので、ぜひトライしてみてほしいと思います。
ストーブの燃焼中に圧がかかった燃料が突然噴き出すなど、考えただけで恐ろしいです。
今回は下の写真のようにロウ付けでクラックを埋めました。
このような修理はコールマン社では断られてしまうかと思います。
また、推奨するわけでもないのですが、なにぶん古いパーツが手に入らないので・・・。
ショップではオールドコールマンのロウ付け修理もお請けできますので、お困りの際はご相談いただければと思います。